50代の転職 経歴に自信ないは思い込みだった

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先月、10年ぶりに元同僚から連絡が来た。今の会社があと数年で早期退職の対象になりそうで、経歴書を見てほしいと言う。送られてきたファイルを開いて、正直言葉に詰まった。20年分の在籍歴と担当業務がびっしり箇条書きになっているだけで、どこにこの人の強みがあるのか自分にも分からなかった。本人は真面目に全部書いたんだと思う。でも採用担当が1件あたり数十秒しか見ない書類選考で、この経歴書が通る姿がまったく想像できなかった。電話口で本人は、この歳で今さら書き方を変えても大して変わらないと思うと自嘲気味に言っていて、その声のトーンが妙に耳に残った。若手の求人にはスカウトが山ほど来るのに、自分の世代には何も来ないと呟いていたのも引っかかった。自分はまだ40代だけど、この先数年で同じ立場になる。他人事のつもりで開いたファイルに、自分の将来を見せられた気がした。

なぜ50代の経歴書は実績の羅列で止まるのか

50代の経歴書に共通する型があると思ってる。在籍した会社と部署、担当業務を時系列にひたすら並べる書き方。年数が長いぶん情報量は多いんだけど、読み手からすると結局この人は何ができる人なのかが最後まで分からないまま終わる。20代や30代の経歴書は情報が少ない代わりに強みが1つか2つに絞られてるから逆に伝わりやすい。50代は情報が多すぎて、本人が一番大事な部分を選べなくなってる。これは能力の問題じゃなくて、20年分の経験を客観的に編集する視点を持ちにくいという構造の問題だと思う。実際に元同僚の経歴書は、担当した部署名だけで7行、使った社内システム名の羅列だけでさらに5行を使っていて、肝心の成果はどの行にも一言も書かれていなかった。採用担当からすれば、この人が入社して何を変えてくれるのかが最後まで見えないまま次の応募者の書類に移ってしまう。若手の経歴書なら数行で読み切れるところを、50代の経歴書は情報量が多いせいで逆に読み飛ばされやすいという皮肉な構造にもなってる。

自分も転職エージェントの担当者に聞いたことがあるんだけど、書類選考の段階では在籍年数や役職より、入社後にどんな成果を再現できそうかという一点だけを見ているらしい。年数を長く書くほど誠実に見えると思い込んでいたのは、こちら側の勝手な思い込みだったんだと気づかされた。

経歴を3行に凝縮したらAIが引き出した本当の強み

元同僚の経歴書をそのままChatGPTに読み込ませて、この経歴で一番評価されるべき強みを3つに絞ってほしいと頼んでみた。出てきたのは、部署間の調整役として3つの拠点統合を混乱なく終えた実績、若手育成を担当した3年間で担当チームの離職率を下げた経験、予算管理を10年続けて毎年コストを削減してきた継続力の3つ。本人にこれ覚えてるかと聞いたら、そういえばそうだったと拍子抜けするくらい軽い反応だった。当人にとっては当たり前すぎて経歴書に書く発想すらなかったらしい。20年分の職歴をAIに要約させる作業自体は30分もかからなかったんだけど、埋もれてた強みを本人より先にAIが言語化したという事実は結構衝撃だった。そのあと自分たちで数字を裏付けとして加えて、拠点統合、離職率、コスト削減の3行にまとめ直した。プロンプトは特別なものじゃなくて、この経歴書を読んで採用側が知りたい成果だけを3つ抽出してほしいと頼んだだけで、あとは出てきた案を本人が自分の言葉に直しただけだった。

面白かったのは、AIが出してきた3つの案のうち2つは、本人が面接で聞かれても答えに詰まりそうな抽象的な表現だったこと。そこで実際の数字を思い出してもらうよう質問を重ねたら、離職率は担当前の28パーセントから3年で12パーセントまで下がっていたことが分かった。本人はその数字自体を覚えていたのに、それが経歴として書くべき実績だという発想がなかっただけだった。AIが強みの型を提示して、本人が数字を埋めるという役割分担にしたら、20年分の記憶を掘り起こす作業が思ったよりずっと早く終わった。

経歴書を直さないまま送り続ける人が失っているもの

ここが一番もったいないと思ってる部分で、経歴書の書き方を変えないまま応募を続けている人は、書類選考の母数だけを消費して市場価値を証明する機会を毎回逃してる。1社落ちるごとに、この歳だから仕方ないと年齢のせいにしてしまうと、経歴書の書き方という直せる原因から目がそれてしまう。元同僚はこれまで4社受けて書類選考すら通らなかったらしいんだけど、原因を年齢だと決めつけていた分だけ、直す努力そのものをしてこなかったことになる。知らないだけで通っていたはずの選考を、本人の思い込みで自分から手放してた可能性がある。しかも応募を重ねるたびに落ちた事実だけが積み重なって、本人の中で経歴に自信がないという思い込みがどんどん補強されていく。悪循環に入ると、経歴書を直そうという発想自体が浮かびにくくなるのが厄介なところだと思う。半年、1年とこの状態が続くほど、動き出すタイミング自体もどんどん狭くなっていく。元同僚が最初の電話で口にした、若手にはスカウトが来るのに自分には何も来ないという言葉も、実は求人サイトのAIマッチングが経歴書の中身を読んで判断してるだけの話で、年齢そのものが弾かれているわけじゃなかった。マッチングの土台になる経歴書を直さない限り、この状況はいつまでも変わらないままだったと思う。

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50代の転職に強いエージェントを併用したら反応が変わった理由

経歴書を直した後、元同僚には転職サイトへの直接応募だけじゃなくて、ミドル世代の求人を多く扱うエージェントも併用するよう勧めた。実際に登録してみると、直接応募では書類選考にすら進めなかった求人が、エージェント経由の推薦だと面談まで進むケースが出てきたらしい。エージェント側が担当者の目線で経歴の強みを企業に説明してくれる分、経歴書だけでは伝わりきらない部分を補ってもらえる。リクルートエージェントを見てみるdodaを見てみるはミドル世代向けの求人も扱っているので、経歴書を直したタイミングで一緒に登録しておくと選考の入り口が増える。1社のエージェントだけだと紹介される求人の幅が偏ることもあるので、2社くらい併用して反応を比較するのがちょうどいいと感じてる。担当者に自分の強みをどう見られているか聞いてみるだけでも、経歴書を客観視する材料になるし、思ってもいなかった業界の求人を勧められることもある。

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書類選考通過率 直した後の数字で見えた変化

経歴書を直す前の4社は全滅、直した後に応募した6社のうち3社で書類選考を通過して、うち1社は最終面接まで進んだ。母数が小さいので過度に一般化はできないんだけど、内容量ではなく編集の仕方を変えただけで結果が変わったのは事実だと思う。元同僚は久しぶりに面談で自分の話を面白がって聞かれたと話してくれて、その時の声のトーンが以前より明らかに軽かった。最初に電話で聞いたときの、この歳で今さらという諦めの声とはまるで別人だった。担当者から拠点統合の話をもっと詳しく聞かせてほしいと言われたのが素直に嬉しかったらしく、これまで誰にも評価されたことのなかった仕事に光が当たった感覚だったと話してくれた。経歴に自信がないというのは事実じゃなくて、経歴を編集する視点を持てていなかっただけなんだと思う。

50代の転職は情報がまだ少ないジャンルだと思う。20代向けの転職情報はネットに溢れているのに、20年以上のキャリアをどう編集して見せるかという話はほとんど誰も教えてくれない。同じように経歴書の書き方で止まってる人がいたら、まず今の経歴書をAIに読み込ませて強みを3つ挙げてもらうところから始めてみてほしい。自分にとっては当たり前すぎて見えなくなってる部分を、外から言語化してもらうだけで景色が変わることがある。マイナビエージェントを見てみるのように年代別の求人に強いサービスを併用しながら、年齢のせいにする前に、まだ試してないことが残ってないか一度確認してみてほしい。元同僚とはまた次に動きがあったら連絡すると話して電話を切ったんだけど、今度は声のトーンで結果がなんとなく分かる気がしてる。

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